溶融亜鉛めっきとは?

溶融亜鉛めっきの特徴

  • 緻密な保護皮膜と電気化学的な防食作用をあわせ持つことにより、大気中、水中、土中、またコンクリート中で非常に優秀な耐食性を示します。
  • 鉄と亜鉛の合金層が形成されるため、鉄鋼素地とよく密着しており、衝撃、摩擦などに剥離することがありません。
  • 釘類のような小さい製品から、1個 数10tの製品まで、めっき槽に浸漬できる鉄鋼製品は全てめっき可能です。
  • 中空体など手の届かない部分や目に見えない個所まで均一にめっきができます。
  • 寿命が非常に長く、維持費用を必要としないため、経済的に優れた表面処理です。

溶融亜鉛めっきの用途

土木関係の溶融亜鉛めっきの用途
土木関係
橋梁、ガードレール、ハンドレール、フェンス、標識柱、グレーチング、その他
建築関係の溶融亜鉛めっきの用途
建築関係
鉄骨構造物、非常階段、仮設足場、立体駐車場、ボルト、ナット、座金、金物、釘、その他
電力通信関係の溶融亜鉛めっきの用途
電力通信関係
鉄塔、電力機器用架台、ポール、パラボラアンテナ、その他
船舶・漁業関係の溶融亜鉛めっきの用途
船舶・漁業関係
外板、ペンチレーターダクト、タラップ、冷凍施設、錨、鎖、浮標、集魚灯、その他
鉄道運輸関係の溶融亜鉛めっきの用途
鉄道運輸関係
防音壁支柱、架線鉄構、客車用水槽および温水器、スプリングクリップ、タイプレート、犬釘、スクリューボルト、その他
農薬・園芸関係の溶融亜鉛めっきの用途
農薬・園芸関係
建屋、温室、サイロ、鶏舎、養蚕ハウス、フェンス、バケツ、スコップ、その他
環境・衛生関係の溶融亜鉛めっきの用途
環境・衛生関係
ボイラ、風呂釜、冷暖房設備、貯水タンク、屑箱、その他

溶融亜鉛めっきの耐食性

一般大気中の亜鉛めっきは大気汚染物質の亜硫酸ガス、塩化物(海塩粒子)、降下煤塵等により その耐食性は大きく左右されますが、通常では、耐用年数は亜鉛付着量に比例します。 耐用年数については、使用環境による亜鉛の腐食速度と亜鉛の付着量から次のように計算できます。

耐用年数=亜鉛付着量(g/㎡/年)÷腐食速度(g/㎡/年)×0.9

したがって、重工業地帯や都市部では腐食速度を約15(g/㎡/年)とすると、 付着量600(g/㎡)では耐用年数は、36年になります。

溶融亜鉛めっきの工程

入荷→脱脂→酸洗/ショットブラスト→フラックス処理→めっき→遠心分離機→冷却→検査→出荷

溶融亜鉛めっきの規格

新規格:JIS H 8641(2021)
種類の記号 膜厚(μm)
HDZT 35 35以上
HDZT 42 42以上
HDZT 49 49以上
HDZT 56 56以上
HDZT 63 63以上
HDZT 70 70以上
HDZT 77 77以上
旧規格:JIS H 8641(2007)
種類 記号 硫酸銅試験回数 付着量(g/㎡)
1種A HDZ A 4回
1種B HDZ B 5回
2種35 HDZ 35 350以上
2種40 HDZ 40 400以上
2種45 HDZ 45 450以上
2種50 HDZ 50 500以上
2種55 HDZ 55 550以上

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